化粧品業界から農家へ転身「人の美容に携わりたい」続く想い
Toe’s Company(トーズカンパニー)
代表 清水 博人(小諸市滝原出身)
〒384-8501 長野県小諸市和田154-10
2017年 東京から長野県小諸市に戻り米作りを始める
2019年 第21回米食味分析鑑定コンクール 栽培別部門「低・中アミロース米」でミルキークイーンが特別優秀賞を受賞
2022年 日本の棚田百選「宇坪入りの棚田」の復活を目指し開墾
2023年 料理王国100選に「ミルキークイーン」入賞(日本を誇るプロの料理人、バイヤーに選ばれる)
2024年 料理王国100選に「いのちの壱」入賞
2011年化粧品業界で働き始めた清水さん。化粧品というと化粧水や口紅、ファンデーションなど外側からの美容を思い浮かべますが、「インナービューティー」という体を内側からきれいにする美容があることを知り、面白いと思ったそう。
振り返った時に、実家が兼業農家だったので、これだ!と思い農業に一念発起。商品は違うけれど、お米や野菜を作り食べて貰って、人の美容に携わりたいという。
小諸に戻り米作りを始め、たった2年でお米の国際大会「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」でミルキークイーンが特別優秀賞を受賞。米作りのこだわりや、これからの想いなどを聞きました。
生産しているお米
ミルキークイーンが4割、コシヒカリが4割、いのちの壱が2割で、トータル5町歩(50,000㎡)ほど作っています。
ミルキークイーンはほんとうにイチオシ。コシヒカリともち米の交配品種で、炊き立てふわふわ、冷めると粘度が上がりもちもちとしていて、別のお米と思うぐらい二面性があります。
子どもも大好きで、違うお米を出すと食べない。子どもの味覚は侮れません。
品種特性があり、ミルキークイーンは寒いところが良いので、標高700m-800m以上で育てています。たくさん作りたいけど中山間地域ということもあり、なかなか大規模には作れていません。
米作りでのこだわりや気を付けていること
自然農法で、農薬や化学肥料は使用しないこと。田んぼの落ち葉や、わら、きのこの廃菌床、猪や鹿の糞などを混ぜて堆肥にしていたり、栄養豊富な雑草を、あえて田んぼに生やして肥料として使用しています。その環境にいる生物、微生物たちの生きやすいような場をつくることがこだわり。そこに、お米の苗を植えてあげることで、共存できる社会が自然のなかでできるかなと思っています。
浅間山の雪解け水が水源となり川になって流れて、その水を田んぼに入れています。化学肥料を使用せず立派なお米が育っているのは、水に栄養が豊富にあるからだと思っています。
小諸市内でもいろんな地区に田んぼを借りていますが、同じ作り方だけどお米の出来が全然違う。土地柄、土質もあるが、水質も違うのが影響していると思う。「水稲」と書くが、お米に水は重要だなと本当に感じています。
お米以外にどんな野菜を作っていますか
主にブロッコリーとほうれん草です。あとは、作って!といわれた野菜を作っています。
1年の間に、同じ畑に同じ野菜を作りたくないため、春はブロッコリー、冬にほうれん草を作っています。奈良漬け用の瓜を作ってほしいといわれ、育てたこともありました。
農業は生産、加工、販売と全部できるのが魅力ですが、やっぱり大変です。業界ごとに分かれている理由が頷けます。でも、もともとメーカーにいたので、農業も同じだろうという思考から入り、全部1人でやりたいと思って、原料を作って加工して、販売先を見つけて、始めてから5年で形になったかなという感覚があります。
これからの抱負
地域貢献です。日本の棚田百選に認定されている菱野の「宇坪入りの棚田」の荒廃を知り、里山の素晴らしい景色を復活させたいと、クラウドファンディングで資金を集め、開墾しています。
昨年、地元の高校生とソルガムを植えて迷路をつくり子どもたちに楽しんでもらい、秋にはソルガムを収穫し、小諸市動物園の鳥たちにプレゼントしました。2024年には長野県中の大学生と協力して写真展を開催しようと思っています。
消費者の方へメッセージ
私のお米を選んでくださり本当にありがとうございます。数ある農家から選んでくださったご縁を胸に、日々の農業に力を注いで、よりおいしいお米、お野菜を届けられるように精進したいと思います。
編集後記
清水さんおすすめのごはんのお供は「お塩」とのこと。長崎の飛鸞(ひらん)のお塩は、塩分が強く、ほんのちょっとひとつまみでも味が濃くて、おいしい!とのことです。ぜひ食べてみたいですね!
いつも笑顔で迎えてくれる清水さん。笑顔からは農業に対する熱い思いがうかがえます。
Toe’s Company(トーズカンパニー)ホームページ
小諸市ふるさと納税はこちら